夜更け/緋月 衣瑠香
 
ふと
窓から外の様子を窺ってみたのです
すると
空という藍色の海に
悠々と三日月が揺らいでいたのです

そうしたら
小舟のようなお月様に乗って
夜空を旅してみたくなったのです

だから
ベットという船乗り場で
夢という乗船券を
今か今かと
待ち望んでみたのです

時計は
26時をさそうとしていたことだけは
微かに覚えています

戻る   Point(8)