年老いた青い鳥/リヅ
 

毎晩テレビの歌番組にチャンネルを合わせるんだけれど
上手くいったためしがないから
眠りに落ちる時 少し悲しそうな顔をするのが癖になった
鳥はきっと眠ったふりをしいてるだけなんだよ
気のきいた言葉も
枯れたままの白い花も
夜に飲まれて消えてしまう

昨日の歌を忘れた午後に
道化師の男が表の通りで半透明のビニル風船を配っていた
何人かの子供が空の下でうっかり手を離し 多くの子供は大事に家へ持ち帰るだろう
君は窓辺で子供たちの風船を羨ましげに眺めている
大人になりきれないその瞳が好きだった
笑い声が聞こえる
僕らは外へ駆けて行ったりなんかしない

君と初めてキスした場所
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