年老いた青い鳥/リヅ
 
朝食は今週三度目のハニートーストだった
君は窓を開け放し 街の喧騒を招待する
車のクラクションと通行人のおしゃべりが優しく体を満たすから
満足気にテレビの電源をつけてみたりもする
カーテンがわりの煤けた赤いロングスカートがはためく
僕は部屋の隅でこっそりと
誰かの生活の音に殴られつづけている

サイドテーブルの上 チュニジア製の鳥かごの中で
青い鳥はいつも眠っている
痩せこけた体と曲がった背骨とを
君の愛するやけに艶やかな羽で隠して
隣の花瓶には枯れてしまった白い花
乾いた花びらが壊れかけのリモコンに舞い落ちる
そのリモコンで
君は鳥に歌の一つでも覚えさせようと

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