陽が沈むころ/
錯春
よく覚えていないが
知り合いの知り合いが盲いたそうだ
その機には親族が集い
里芋や菊の花を毟ったものを
軽々しくさっくりと揚げた
盲いた知り合いは油モノは苦手だったが
その日だけは舌鼓を打った
喰いしばった歯で
ざっくりと噛みしめた
油が滲みていった
体中の喰いしばった
乾いた性器もあますことなく
火が静むころには
さっくりと大人しくなって
白々しい 白々しい
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