美人は誰か/んなこたーない
いだろうか。
理想的な女性像の一例として、プルーストの次の一節はぼくには意味深長に思われる。
「頭の位置を動かすたびに、彼女は新しい女、それもしばしば私の思いもかけなかったような女を作り出した。
私には、自分がただひとりの娘ではなく、無数の若い娘を所有しているように思われた」
ひとりの娘に無数の若い娘を見出すとき、この「私」は同時に無数の「私」をも見出すだろう。
ぼくは美しいものを愛する。
nousよ、さらば。ベアトリーチェよ、こんにちは。
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