嘔吐/
ねろ
はが瞬く間に
いろんな人の胃袋の中へと収められていく
クスクス笑いは戦場の賛美歌のようだし
くしゃみはカノンのように連鎖して発生するのに
僕は熱を帯びて沈む風景の様に
周りの気配に馴染んでいく
女の子は何故か僕の名前を知っていて
産まれてくるドロップスのひとつひとつに
同じ名前をつける
人類はあっという間に地球の何万回分もの
吐寫物を飲み込んでしまう
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