短い針〜ある坂道の途中で〜/青の詩人
 


ある飲み会の後
ひとりで坂をのぼる

街灯が白い坂道を照らし
空の黒と鮮やかなコントラストをつくり
感傷に浸るに充分な舞台を与えてくれた
星は出ているだろうか
うつむいて歩くからわからない

高校生でいた頃がだいぶ昔に感じられる
中学生 小学生の頃なんて 昔も昔 夢のまた夢


いつだって自分をどこかに隠していたよな
ふざけられずにいたよな
本気を出せずにいたよな
特にあの子の前では

あんなにも当たり前だったぼくらの映像が
すうっと消えていく感覚
夢を見ていたんだな きっと
次に目を覚ましたときには
今が消えているかもしれない

そう思って
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