自動販売機と俺。/もののあはれ
 
だけは残すんじゃないと言われた。
俺はほっとしてフーフー冷ましながらチクワをくわえ。
次こそはコーヒーを買うために小銭を取り出し自動販売機に入れた。


そしてボタンを押すと懐かしのハワイの空気が入った缶詰が出てきた。

『アロハーオエ!(我が愛をあなたに!)』

自動販売機が南国調で礼を告げた。
しかも御丁寧に和訳まで読み上げやがって。
まあ意味は知らなかったけどよ。
しかしお前の愛は空気かと自動販売機に躍りかかると。
お前はハワイアンじゃないのかと言われた。
俺は違うが友達にそういったあだ名の奴が確かにいると答えると。
それ見た事かお前はその友達の想いを裏切るつも
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