コザカしくないひと/んなこたーない
まずは素朴な疑問から始めたい。
どういうことかというと、それは一般的な通念を疑うということである。
となれば、まずはその通念が本当に通念として成立しているのかを疑う必要があろう。
しかしここでは単純に初歩的な問いを投げかけてみたいのである。
たとえば「ぼくは悲しい」というフレーズを考えてみよう。
果たしてこのフレーズを正面切って使える人間がどの程度いるのだろうか、ということである。
異化作用やらピエール・ルヴェルディのイマージュ論などをまつまでもなく、
もし使うのならばいくらかズラしたうえで、というのが多くのひとの考えるところではないだろうか。
あたかも「悲しい」という言葉を使
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)