出棺の日/
服部 剛
り込み
出棺のクラクションが晴れた空に響き
霊柩車は火葬場への道を走り始めた
( その後ろを太郎の面影が走っていった
ぼくと
祖母と
叔母と
陽だまりの窓辺に立つ三人は
そっと手を合わせ
隣の祖母は
「南無阿弥陀仏・・・」
と繰り返し唱えた
庭に咲く
名も無き黄色い花々は
風に揺られ
私達に
大きく手をふっていた
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