部屋 夕暮れ/かえで
 
殺風景なこの部屋で
今日も娘が泣いています
しくしくしく じれったい

この土地に春などくるものか
私に春などくるものか
気付けは年だけ過ぎていく


さびれた夕暮れ この地にひとり
ちんけな音楽 耳を刺す
潤してなんかくれません

恋人は 遠きあの地で
仕事におわれているのでしょうか
貴方の体が心配です

海辺の風を感じながら
狂った私は この詩読み
心のうつうつ騙します

それでも消えてしまいそうになる時は
貴方の手紙を探り出し
いつかの優しさ触れています

切り裂きたい現実は
今日もこの地におりますゆえ
私は貴方を想います

さびれた夕暮れ 貴方はいずこ
鳥は皆家路に飛び立ち
私は今日もどこへやら

さびれた夕暮れ 夕日はどうした
貴方の帰りを待ち続け
私は海辺へ向かいます
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