日常会話/蔦谷たつや
「きゅらりん」
私は本当にあなたがそう言ったのか、
はたまた、驚いた。
「きゅらりんってなんだよ。」
けれどもあなたは、なにも教えちゃくれない。
沈黙に陥った。
「だからさ。きゅらりんって。」
「きゅらりん」
それは、まあ、はっきりと私の耳に届いた、
しかし、今度はあまり、驚くことはなかった。
いや、驚いてたまるか、なんて意地をはったのだ。
「なるほどね、きゅらりんってのは・・・。」
「きゅらりんは、きゅらりんさ。」
二人はまた、沈黙に陥った。
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