羨望/
atsuchan69
光カーテンに包まれた怪物が忽ち、ぺたんと尻をつく
ラブピースの怪物は座ったまま、もはや動こうともしない
よく見ると額に、秒速で回転する残忍な刃の痕があった
玄関を出ると、朝の慌ただしさが彼処に溢れているのを見た
近隣の人々がゴミの袋を所定の場所へ出しに来る
瀕死のまま、男はよろめいて救いをもとめる
「ダレカ、ケイサツヲ・・・・
そのとき、男は力なく倒れ、朦朧とする意識の中で
妻たちに見送られる日常の様をいくぶん羨望するように眺めていた
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