四月の雨/海月
憂鬱な日程に会えない君の事を考える
私の手が届かない所で何をしているのだろう
君の至福を少なからず、嫉妬している
窓の外は優しい四月の雨が朝から降り続いている
桜は雨風を浴びて緩やかに舞い散り
儚い愛の最後を教えてくれる
地面に着く、その一瞬だけは視線を逸らした
君は甘い言葉を囁く事はなく
いつも微笑み口づけを交わすだけ
時が止まった様に何もかも静止している
そして、瞼を閉じた
私は君に形のないものを求めすぎていた
と
今となり気づく
愛や温もりや心や思い出や・・・
後になれば自分を傷付けるものばかり
薄汚れた桜の花びらの
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