誰みたいに逝く?/うおくきん
 
みたいに逝く?」
「誰? 誰なの、その人たち? 逝こ、誰でもいいからとにかく逝こ、ね、とにかく逝こ、とにかくとにかくはやく逝こ…」と泣きながらつぶやき続ける。
僕は呪われたあの娘の涙をじゅるじゅるしながら、「うん、うんうん、だいじょうぶだからね、Nの涙は美味しいよ」と心からの本音のよーなふざけた気休めをささやく。

いつものことだ、5分もすれば落ち着くだろう。悲しく美味しい涙も止まるだろう。
いつもの日々、こんな病みきったセカイに適応してしまった僕はもう何が起きたってまともにはなれないだろう。
だからなんだって言うんだ。だからなんだって言うんだ。いったいぜんたい、まともってなんなんだ。

もういいんだ。僕はこのままでいいんだ。僕は独りでいいんだ。
こんなんなっててももうなんもかんじないんだ。だからいいじゃないか、もうこのままでいいんだ。
僕は狂ったまま惰性でなんもかんじず生きていくしかないんだ。そんなん誰だってそうさ。自分が狂ってるのに気づいてるだけマシさ。
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