うつくしいもの/山中 烏流
 
まだ
幼いままの夢を抱きながら
歩みを続けている
 
床に転がっていた
ガラス玉を指差して
綺麗だと笑っている
 
 
何万年も前
もっと世界が綺麗だった頃も
きっと僕ら
同じ事言って
笑ってたんだと思う
 
世界なんて大きなものよりも
目の前の小さなものを
愛して
慈しんで
いたんだと 思う
 
 
(こんなこと思えたのは)
 
(何よりも綺麗な)
(君が)
 
(居たからで)
 
 
まだ
世界はこんなにも
綺麗なんだってこと
 
まだ
僕らこんなにも
綺麗なんだってこと
 
 
思い出して
見失って
 
思い出して
 
愛して。
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