「 空の鏡 」 /
服部 剛
その本を開くと
一遍の詩が終わる頁(ページ)の余白に
紐(ひも)で結んだ「空の鏡」を首からかけて
両腕をひろげた小人が
立っていた
その本を手にした読者の
誰も知らない涙は落ちて
水面(みなも)のように輪をつくり
「空の鏡」にすいこまれていった
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