マグダレナ 〜渇いた女〜 /
服部 剛
る
渇いた唇
( 昨夜
( 眠りの内に見た夢に
( まなざしの深く澄んだ独りの男が現れ
( 平伏した女は
( 旅に汚れたその足を
( 絞り落ちる涙で濡らし
( 自らの黒髪で拭った
紅茶の入った紙コップを
白い両手で包み
冷えたこころを暖める
( 首にかかる
( 十字架のネックレス
( 昨夜より少し、重い。
紙コップの上に昇る湯気(ゆげ)
筆記体の LOVE という型になって
宙に消えた
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