貶め連鎖/山中 烏流
 
目の前で
人が人を突き放している
突き放した人は
その汚れた手で
また誰かを抱いている
 
偽善の海に
溺れている
 
怠惰の波に
飲まれている
 
*
 
ついさっき
愛を誓い合った二人が
呪詛を呟いた
 
よく、ある話
 
**
 
地球が滅亡したって
愛し続けるだなんて
 
嘘、だったの?
 
***
 
突き放された人は
その虚無を埋める為
また誰かを探す
汚れた手で
愛を求めている
 
無意味な言葉に
囚われている
 
愛情を
渇望している
 
**
 
人の思想なんて
すぐに
 
変わるものなの?
 
***
 
また目の前で
貶め合いが続いている
汚れた手は増えて
僕の手までも
掴もうともがいている
 
自己に
負けている
 
自己に
負けている
 
*
 
ついさっき
別れを告げた二人が
愛を囁いた
 
よく、ある話
 
****
 
そして
 
君 は 僕 を 。
戻る   Point(1)