日だまりテレパシー/山中 烏流
日だまりに溶けたがった
あの太陽は
たんぽぽの色をたたえながら
まだ空に
浮かんでいる
僕はといえば
その日だまりの中で
何にも考えず
ただ
眠っている
太陽が出来る事を
僕は
出来やしない
でも
僕が出来る事を
太陽は
出来やしないだろう
日だまりに溶けたがった
あの太陽は
カシス色に染まりながら
代わりに海へと
溶けていった
僕はといえば
その日だまりを後にして
何にも考えず
帰路を
一人辿っている
太陽が眠る場所を
僕は
知りはしない
でも
僕が眠る場所を
太陽は
知らないだろう
それでも僕は
太陽になりたくて
太陽は
僕になりたくて
仕方無いんだ
だから二人
今日も
日だまりにて
交信中。
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