詩集・人生の最中に/生田 稔
 
」今朝読了
ツキジデス読みつぐ
宇宙の閉じるのを見たという
幻の声
何も言わず頷く友
猫になりたしとつぶやくとも
昼の砂浜のベンチの白猫

秋の深き夜 この可惜夜
ランプの下の広辞苑
詩を書く男なんてという妻
十時を廻る寝ねむや。

十六歳にして

十六歳の秋、パチンコ屋の
「上海帰りのリル」
不良少年、何も知らなかった
行く末の期待なく
安手の実存
不安で淋しい
十六歳
恋人がいたら
言い出す勇気なく
ニキビだが白い顔
で時折赤面する
言葉は神であった。

oh Fagus a nice fellow.

今夜も映画の登場人物を好きにな
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