中華屋喫茶室/猫のひたい撫でるたま子
中華屋喫茶室という店に来ている。窓から交差点が見渡せる席に着き、もう二時間が経っている。
大昔に恋人だった男から電話が入った。
きつねの嫁入りがあったので、瀬戸内の海辺にきている。せっかく来たのに雨が上がって晴れてしまい、時間が余っているから来ないかという。
そんなこといっても、私は根津の中華屋喫茶でキャメルを吸っているし、食べ終わって一時間半も経つのに追い出されないからここにいるつもりだと話す。
どうやら付き合っていた女子高生に振られたようだ。
制服が好きな訳じゃないんだ、ルーズソックスは嫌いじゃない、すれ違った彼女の細い首が気になって仕方ないから声をかけたらついて
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