回帰/ポッケ
ベッドのへりからあおむけで見つめる
まるい蛍光灯
目を閉じて追いかける残像は
欠けたのか
届かないのか
つながらない輪の形をして
黒の中に赤く燃えて
中も外も見えないほど燃えて
それでも炎は緑になり
燃えひろがる緑になり
やがて境界線も見えなくなって
あるものもないものも
なにも見えなくなって
目を開ける
白い柵を羊が何頭も
何頭も
あちら側へとんでゆく
柵。
あるせいで
ないせいで
ゆけない
見つめるから
見つめすぎるから
形も色も
なにも見えなくなるまで目を閉じて
なにも見えない
暗闇の
幼い疾走に触れる
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