なまいきだ。/示唆ウゲツ
 
十分な酸素を吸入しているのに息苦しいときがある。
後頭部や側頭部がずきずき痛む。
目を凝らして見続けていたはずが結局、よそ見しているだけだった。
いやらしい気持ちが何処からか流れ込む。

だって。

たぶん、たぶん?いや、確信だと言うべきなのか。
不透明な連なりが脈を打って嘆いているものならば
カンタンに諦めがつく。
右手が怖いんじゃなくて煩わしいんだ。

曇り空に、その右手を溶け込ますようにふらり、あげる。
「なまいきだよ」
呆れ笑いが五本の指のスキマから聞こえる。
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