繭〉宇宙により夢みられている夢/カスラ

故に眼が利かず
生を怖れては早々と死を捉える
かたや子供らは打ち込まれた釘の意味を悟れる時までドグマの前にひざまずき続ける
全てのその一方で 我等の母なる大地は均衡を保ち
待っている
今 黒い森に迷い分け入った人々の頑なな自我と ちっぽけな肉体とが ゆらゆらと 溶け出してゆく
広大無辺の夢の時空へと溶け出して生成する夢の糸を紡ぎつつ 繰り返す物語を織り成しているその宇宙となり
夢見られている夢が私と呼ばれている繭なのだ
…§…
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