待っているのは/渡辺亘
 
私が待っているのは光であって
闇ではない

私が待っているのは色取りであって
灰色ではない

待っているのはまぶしいくらいの
まぶしいくらいの
太陽光線であり
けして
けして闇ではないのだ

心の奥
地の底より発した旅は
君を伴侶として
あやまりなく進む

光はさまざまな人間模様を映し出し
私はそれを心に焼き付けた
そうだ
「さまざまな光とその反映
 それがわれわれの生だ」ゲーテ
光は稲妻のように走り
私の生を一瞬にして切り取った

私の待っていたのは
光なんだ
闇ではないんだ
心にさしこむのは
光であって
闇ではない
光は一瞬にして
私の苦悩を映し出し
やがて希望となる
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