「アデリー」/
ソティロ
抱かれていくように思えて、
そうしたらぼくのからだのなかの、
ぼくの罪が粒子になって
ちょうど水中の気泡みたいに立ち昇って
オゾン・ホールに吸い込まれてとけた
それはもう生まれてきてから
いちばんのエクスタシーだった
あんまり多くのアデリーペンギンに引き千切られたものだから
その時ぼくはもう骨しか残っていなかったんだと思う
ぼくの居た場所は決して氷が融けないところだったので
ぼくの骸骨は還らずにそこに残ったんだと思う
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