青炎の花 /服部 剛
 

おどけてお手玉をしていた彼 

孤児で 
見知らぬ人に育てられ 
優しい大人になった彼 

妻と子に去られ 
独りの夜に膝まづき 
彼は両手を合わせる

罪も無く十字架にかけられ 
頭(こうべ)を垂れた あの人 に 


( 神よ(エリ)、何故(レマ)、私を見棄てるのですか(サバクタニ)・・・ )   


彼の頬に、涙が伝う。  

あの人 の頬に、涙が伝う。 


ふたりの間の闇に咲き 
炎のように揺らめく 
哀しみの青い花  


 













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