リアリィ(自己中)/山中 烏流
 
平坦な世界の中に
ただ一つ
リアルが欲しくて
 
見開いて
閉じる
 
 
この行動すら
 
既に
リアルでは
 
なく
 
 
 
零れ落ちる手は
また
空を掴み
それを
昇華しようと
 
 
 
(目先の幸せなんか)
 
(要らない)
 
(くだらないリアルなんか)
 
(全部、全部)
 
 
平坦な道を
まだ
歩き続けている
 
砂を噛み
吐き散らす
 
 
リアルなんて
 
最初から
この世には
 
ないと
 
 
 
(知って)
 
(いたのに)
 
 
 
まだ。
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