私はまだ子供だから/梔子
 
不毛だな、と思う。

普通より深い関係にいるのに、普通より上に行くことはなく。

嫉妬する感情を抑えつけて、行き場のない焦燥感は飲み込んで募る。

憂い恋心はカタチにならず、泥のように地面を這い蹲ってもがく。

問うてみたらばと、せかす気持ちとは裏腹に、

あの薄い唇から漏れる答が、恐ろしくてたまらない。

聴きたくない、聴いてみたい、聴きたい、耳を塞いで、

目だけ見て、嗚呼、全てなかったことにならないかと、

あの人へのどろどろな恋心が、嗚咽を漏らして後悔する。
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