灰/海月
 
願い思えば想う程に強く心に張り付く 
久しぶりに光を浴びた写真 
退化して色褪せていた 
だけど、その中に僕と君がいた
確実に僕らがいた 
嬉し楽しき日々は形を成さなければ 
平凡の日々と同化してしまう 
そして、風景を剥ぎ取られて 
その日に何も無かった様に 
長い雨は降り続き 
水溜りは揺れている 
天気予報だと 
朝方にでも止む 
今日の夕暮れ時には 
水溜りは枯れている 
そして、僕の記憶は全てなくなる 
水溜りの様に 
色の付き始めた風景 
隅の方から燃え始めた絵 
全ては灰と化す
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