空の街/青の詩人
 




今ではもう通い慣れたこの坂道を
少しだけそれて のぼっていく
平凡な昼下がり 

不意に現われた
ガードレールの向こうに広がる空の街

青の画用紙いっぱいに広がる白い雲
一番上に燦然と輝く光
そして空の底に けなげに生える家々

僕を吹き抜ける風と
耳を通り抜ける『風まかせ』

空の世界に生きていると
たしかに感じる
幸せ
空気にとける
このこころ


「真空パックにしたいこの気持ち
すさんだときにいつでも味わえるように」

「真空パックにしたくないこの気持ち
予想だにしない風景だから 心揺さぶる」

素晴らしい世界
カメラで切り取りたくはないから
フレーズだけをケータイに記憶させる















今 青の残り香を元に
解凍する空
真実じゃなくても
ひとつの空想


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