山の子供達 〜高尾山にて〜 /服部 剛
 
ドを続ける
おばちゃんの 
勇ましい背中の後ろを
ついてゆく

( わたしも石を、飲もう・・・ 
( 日々の川底に、口を噤(つぐ)んで潜り込み
( 流されぬ者で、あるように。 


振り返ると 
眼下に流れる
川中の踏み石を跳ねる人々
ひとりずつ 
手を取り合いながら 
対岸へと渡っていた 

( 誰もが山の裡(うち)にはしゃいで踊る、
( 自然の子供だった。 

開いた雲間から
降りそそぐ日射しに 
濡れた木々の葉は煌(きらめ)き 

見渡す四方は
立ち昇る靄(もや)に覆われ  
山は、呼吸をしていた。




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