森の王様/黒い鴉
深い森に一人たたずむ彼は
僕の十倍は生きてるだろう
それでもまだ僕と同じはずだ
まだなにかの途中のはずだ
・
成長したなんて自覚はないけど
ただ背は伸びて
歩幅は大きくなった
それだけの話
・
いつかは彼は森の王様
見てるだけの僕は一体 何様?
誰かに必要とされたり
誰かの役に立てたなら
どんなに素敵なことだろう
彼はその役目を果たそうと
僕は迷ってばかりだけれど
・
成長したなんて自覚はないけど
背が伸びただけじゃないはずだ
僕の中でなにかが変わった
・
道に迷って
君に出会えて よかった
僕はまだその生涯の
半分も生きちゃいない
僕と君とは違うけど
いつかは僕も誰かのために
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