バブルから遠く離れて━━とある放浪記━━/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 
 私が24の頃だ。
 当時の私は実家でぷらぷらしていていたのだが、その年の正月を一ヶ月ほど過ぎたある日、積年の恨みを晴らすべく父をボコボコにして、そのまま居るのが気まずくなり、逃げるように勤めていた工務店での東京出張に参加して、そこでも人間関係が悪くなり、少ない手持ちの金を持ってスポーツ新聞で見つけたタコ部屋に潜り込んだ。そして15万程貯めるとそこを辞め住まいを探したのだが、世間知らずの私は「保証人」問題にどうにもならない思いを抱き、いつのまにか貯めた金も全部なくしてしまった上、働く意欲を無くしてしまい、赤いボストンバッグを抱えてあちこちの公園に寝泊りするようになっていた。
 自動販売機のつり
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