かけたたましいあずかります(株)/かぜきり
 
魂がかけちまった
ちいっと過ぎてしまっただけなのにな

入り口の無いあの島で
出口の無いあの塔で

乾いた喉がうったえる
みずがほしいみずがほしい
訴えているのは喉ではない

そんなふうにあのひとはそのことをはなす

日々がそこにはあるのだろうか
キーコードに埋もれたゲートのある庭で
合言葉は数字の羅列

そこにあるのは見せかけの日常
すでにかけたものは
返してはもらえず

あさ 自分のくしゃみで目を覚ます
気がついたら手首から先が落っこちていた

僕が誰だかわかっていても
でてくることばはべつのもの
ぼくが彼で
彼が僕で
僕がかれだから

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