爪切り/
蒼木りん
爪を切って
わたしを捨てていく
気まぐれで
ときどき拾うものは
落っこちてる人のこころ
だいたいは
見て見ぬふり
蹴っ飛ばしたりもする
投げるのは
じゃまなもの
わたしの屍骸を
ごみ篭にバラバラ捨てる
昨日までのわたしは
なかったことにして
指先が軽くなる
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