楼閣/焼石二水
 


ぬかるめば、。まだ
容易いだろう春の目覚めは
アスファルトの下で息を潜めて
丸めた背中に街を築いた、。今朝も
大動脈を車は行き交い
目を見開いたまま
居眠りで
寄り道もせずに落ちて行く

(あの水平線の向こうは
(誰の肩だっただろう
(とても大切な
(ことだった気がする

足音が思い出せない
手触りだけで((辛うじて、。いる
一方通行」
進入禁止」
ここが何処の細道でも、。私に
七つを祝う子はいない
交差点の
この先で

(居眠りをする背広姿の
(背に伸びるビルの影から
(呼び鈴の音
(誰かの家の

正午が澱を結んでいる、。人の
目覚めない結界を
儚い」と名付けて
花を待つ






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