無色/山中 烏流
 
止まらない衝動は
真っ白な闇と
薄紫の空気を運んで
 
力尽きた身体を
ゆっくりと
撫ぜて行く
 
 
視線の先の
鏡に写った自分の顔は
 
酷く醜くて
酷く美しかった
 
 
無意味が無意味を彩る
 
無色が溢れていく
 
 
ぼんやりと見えた光さえ
掴めないと知って
また目を閉じる
 
荒い息遣いが
空虚に包まれた部屋で
まだ木霊している
 
 
耳に届いた
痛いくらいの吐息は
 
酷く冷たくて
酷く哀しかった
 
 
また白が近付く
 
闇に身体を委ねる
 
 
無意味が無意味を彩る
 
無色が溢れて行く
 
 
 
無色が、溢れて。
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