欠陥品の涙/436
 
割れたグラスを眺めていると
妙に親近感が沸いてきた

なんだかこいつは俺と似ている
そんな気分になってきた

試しに割れた欠片を拾い集めても
元の形に戻るはずもなかった

大切なピースがなくなってしまったのか
組み立て方がわからないのかもわからなかった

ふとなにかがこぼれたけれど
なにがこぼれたのかもわからなかった



戻る   Point(5)