午前4時に/ku-mi
 
書き留めない言葉はまるで
午前4時に聞く雨音
軒先をつたい終えた一粒のしずくは
もう元にはもどらない

心臓からきっと少し離れたところで
痛んでいる感情
あなたの心拍数に合わせているのに
息苦しいほどの瞬間がまたくる

うっすらと
垂れ下がった布の隙間から
淡いブルーの光がのぞく
その向こうから時折
エンジン音が通り過ぎていく
やがて消えた雨音
だけど、もう一度だけ口にして欲しい。

流れていくのは私かもしれない
まだら模様の灰色の雲
夕方にはここではない空を見上げ
まばゆい輝きを放つ星の方角に
深く息を吸おうとする

書き留めなかった言葉のかわりに
何度でも
こぼれ落ちていく不透明な結晶
音も立てず


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