故郷/海月
 
いつまでも迷わずに行きなさい 
周りばかりを見ているから自分自身を見失う 
だから、周りを気にしてはいけない 
足を止めた時だけ周りを見ればいい 
君の言葉を胸に僕はこの街を去る 
誰かと恋に落ちて 
現実から目を逸らしても現実は其処に在る 
甘い夢や軽やかな理想を追い求めて 
最後は駄目になってしまうよ 
君の言葉を信じて僕はこの街を出る 
不摂取の繰り返し 
会話は他愛もないこと 
満員電車には自然と慣れて 
都会の空気、匂いも慣れた 
そして、君の事を忘れていった 
慌てて思い出しても手遅れで 
首から上がボヤけている 
ただいま 
と 
言っても 
誰の声もなく
嫌な部分を集めた部屋  
君の住む街 
僕の故郷 
明日の朝にでも帰ろう
君の声がする街へ
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