完全な回転/瓜田タカヤ
濡れた
読んだこと無い週刊誌
海の不自然な美しさは
人為的な型どりが常になされているのだろう?
海面はいつだって、驚異的数値感で
冷却さえも、持ち合わせていないかのよな
幽玄そぶりでたゆたっているよ
都会のどこかでつぶやかれる
地獄のすばらしさ の、童話
と
人妻の肉片の湿度
と
スティールボールラン の、解釈
薄く
溶解する内臓の感覚を
誰かと共有しながら
うっとりした思い出を
命のすべてかのよに静かに話す連続。狂人を許す日光。
蒸発したレモンティーの香しき香は
必ず人肉を思い出し
それが
完全な膜の
外側であることを
薄く信じた。
遙か彼方の
知らない海面で
適当に漂う週刊誌は
不規則で
理不尽に
完全に
完全な回転をしているのだろう
誰も。
初めから誰も
殺そうとか思っちゃいない。
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