『縫い包み』/しろいぬ
 
綻んでく夢を縫って

繕ってできた別のモノ

こんなのが欲しかったわけじゃないのに


最初だけは上手に縫って

汚れたら切りとった

贋物の綿で埋めた傷口


夢見たことを奥に詰めて

出来上がった別のモノ

イコールじゃなきゃ意味がないのに

中途半端になるのなら

クレーンで拾ってもよかった

いくらでも替えがきくもの


夢という字の意味を目を閉じて聞いてみる

幻想だけが浮かんで消えて

「これから」は何もなかった



ひっそりと部屋の隅で

まず贋物を破るから

誰も見てなくていいけど

僕だけはもう二度と目を逸らさないで



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