『縫い包み』/しろいぬ
綻んでく夢を縫って
繕ってできた別のモノ
こんなのが欲しかったわけじゃないのに
最初だけは上手に縫って
汚れたら切りとった
贋物の綿で埋めた傷口
夢見たことを奥に詰めて
出来上がった別のモノ
イコールじゃなきゃ意味がないのに
中途半端になるのなら
クレーンで拾ってもよかった
いくらでも替えがきくもの
夢という字の意味を目を閉じて聞いてみる
幻想だけが浮かんで消えて
「これから」は何もなかった
ひっそりと部屋の隅で
まず贋物を破るから
誰も見てなくていいけど
僕だけはもう二度と目を逸らさないで
戻る 編 削 Point(4)