ふたり、夢を見る/soft_machine
エスカレータで夢を見る
ふわふわの風船、逃げられて
いまにも泣きだしそうなおんなの子
ジャンプして捕まえた糸に端の輪をつくり
ひとさし指を通してごらん
これで赤色どこへも行かなくて
ずっときみと一緒だね
泣きだしそうだったおんなの子は安心したのか/それともお前の顔に怯えたか/わっと泣いたお母さんが駆け寄って/不審な目でにらむお前は言って哀しいけれどお嬢さんの風船です/踵をかえすお母さんすこしぼっとして/通り過ぎる通行人は山ほどいたが/バスを待つ人もすこしはいたが/みんな夕暮れに触れてしまいそうだった
博多高速バスセンターが
ライトアップされたドナルドで出迎える
指
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