やがてぼくらは輪郭のない自由になる/ワタナbシンゴ
抱いている。だから、さあ、これから世界を連れて旅に出よう。シューズはミズナラの樹、Tシャツは沙漠のキャラバンだ、たそがれ色のジーンズを穿いて、マッキンリーの頂にひと休み。
握手を3回しよう。ぼくらの符号の言葉で手紙を書こう。孤独も寂しさも月の曲線に照らしてもらおう。エム。いつの日かまた、猫が朝帰りした晩に、ウィンクする信号機で一緒に踊ろう。波が寝返りをうつリズムに眠ろう。
光が見える
沈黙に歩む声にならぬ声たちが
今夜も誰かの輪郭を撃ち抜いた
空の向こう側から聴こえてくるその合図が
すべての朝を始めるための旅立ちの号令となって
ぼくらが暮らすこの街に
地球の遠い夜明けが手渡されていく
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