手と手/海月
西の空が赤く染まる
夕暮れ時
君の手が僕の手から離れた
スルリと零れ落ち
手を伸ばした先にいたのは
数年後の自分自身の手
ゴツゴツと荒れていて
爪は黄色く変色をして
指は今よりも太くなり
何かに絶望を感じた
希望と現実の狭間は
妥協と協調の繰り返し
順番をただ待ち続ける
後ろの人が急かすから
自分の番を譲る馬鹿がいる
何の為に並んでいるのですか?
丁寧語と謙譲語で相手を敬い
自分を常に下と意識する
回路を見出せずに
輪廻の中を回り続ける
生まれ変わりを信じて
死んでしまっても
又、君と恋に落ちたい
淡い幻想
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