少年兵たち/三条麗菜
か細い月がかかる時
一面に散った花びらの破片と
その残り香の中で
少年たちが愛し合います
生まれたままの姿となって
むさぼり合い
我を忘れ
ただ愛し合う
白い肌は
指先のように絡み合い
そしてそこからは
誰一人も生まれない
誰一人も生まれない
誰一人も生まれないから
もうこれ以上戦う人間は
地上には増えないのです
花束を抱いた少年たちが
この地球上で
最後に戦う者となるのです
偉大なる創造者よ
人類の歴史はこのように
終わっていきます
今日も少年兵たちが
鮮やかな花束を抱きかかえ
胸を張って行進します
世界中であらゆる戦いを
終わらせるために
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