少年兵たち/三条麗菜
もはやこの世界は荒廃していて
私だけが正しいのだと
私が世界を正しく導くのだと
そんな狂い方をして
私は少年兵団を結成します
何百人もの美しい少年たちを
戦場に向かって行進させます
赤や橙
黄色そして白い花の花束を
その細い腕に抱きかかえて
武器を持たない少年たちだから
誰一人撃たれません
でも少年たちは
花束で襲いかかるのです
花束で戦車や大砲を
武器を持つ兵士たちを
力の限り殴打して
砕けた花びらにまみれさせます
濃い霧のように
むせかえる花の香りが
戦場いっぱいに満たされるまで
やがて夜が来て
深い夜空にうち震える弦のような
か細
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