恥をしのんで生きよう/しゃしゃり
山口高志の剛速球ももう見えない。
笑ってしまうほど、
どんなに恋焦がれても、
もう終わりだったって、とっくにわかっていた。
それは愛じゃない。
執着心だ。
愛と執着心を、
どうして俺たちは、こんなに間違ってしまうのだろう。
俺は恥ずかしい。
俺は俺が恥ずかしい。
まるでブラが透けてラブが見えるように、
恥ずかしい。
だがその恥をしのんで、
生きようと思う。
もう死のうなんてうたはうたわない。
俺たちは、いつも自分自身として、生きなければいけない。
友よ、
だいじなことは、たぶんそれだけだ。
自分の手しか届かない。
だからせいいっぱい伸ばせばいい。
背を曲げる
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